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第3回千葉県外来種対策(動物)検討委員会 会議結果議事録


1 日時平成17年7月28日
2 場所千葉県教育会館202号室
3 出席委員望月 賢二
落合 啓二 千葉県中央博物館 上席研究員
斎藤 明子 千葉県中央博物館 上席研究員
黒住 耐二 千葉県中央博物館 上席研究員
長谷川 雅美 東邦大学理学部助教授
4 議事録 

(事務局)
最初に、(資料3)の説明をさせていただきます。前回の第2回会議で、千葉県で行われている千葉県の外来種の防除対策について自然保護課でまとめた資料を用意することとされたものです。
まず、千葉県の外来種の防除の現状といたしまして、アカゲザルにつきましては、平成7年度に館山市布良地区で体毛が黄色く、尾が長いサルが確認されまして、平成13年の12月から大型檻による餌付けを開始し、現在も行っております。キョンにつきましては、平成12年度から平成13年度に生息状況の調査を実施いたしまして、推定で約400頭がいるということがわかり、平成14年度から野生鹿の調査捕獲の際に、同時にキョンの捕獲を実施しております。アライグマにつきましては、平成13年に中央博が中心となって自然保護課と共同で移入・定着状況の調査を実施いたしました。カミツキガメにつきましては、平成16年から平成17年にかけまして、長谷川先生が委員長をなさっている千葉県外来亀対策検討委員会に委託をし、調査を行っております。この調査で分布・繁殖・生態などの生息状況を把握し、あわせて駆除を含めた管理方策を検討することとしておりまして、さらに外来生物法の施行に伴いまして今年度から一応2年間もしくは3年間、環境省のモデル防除事業の対象になり、今年の8月ごろから防除の推進調査が、環境省の委託を受けた自然環境研究センターによって印旛沼水系で行われる予定になっております。特に外来生物対策として行っていたわけではないのですが、個々に行っていた外来種の防除ということになりますと、以上のような内容です。
では、以後の議事の議長は委員長にお願いします。

(委員長)
それでは、いまの説明について質問等ありますでしょうか。

(落合委員)
今の資料では、イノシシが触れられていませんでした。イノシシは農作物被害も大きいですし、国内移入種と考えられているのですが。市町村が主体となっている事業も触れられた方がよろしいのでは。

(委員長)
この資料は、今後の外来種対策をどうするかという意味で、先行事例になるものです。対策の評価の基礎にもなるので、各委員とも調整し、委員の持っている情報も踏まえて作成してください。

(事務局)
千葉県全体の事業を再確認したうえで、次回の会議までに資料を作成させていただきます。

(委員長)
それでは次第にしたがって検討を進めたいと思います。外来種動物リストの作成作業について、事務局から説明してください。

(事務局)
(資料1)を御覧ください。前回の会議で黒住先生から提示された表に手を入れた様式を、各委員の先生方、その他中央博物館海の分館とか鴨川シーワールド、県の農林水産部などにお送りし、記入をお願いいたしました。現在のところ全部は集まっておりませんので、その中で、委員の先生方や中央博物館から提出されたもので、今後変更がなさそうなものを整理させていただきました。ほ乳類については、落合先生から提供された情報で項目が増えたものがございまして、これを踏まえて表も作成してあります。印刷すると2枚程度になりますが、この項目の内容についても御検討いただければと思います。

(委員長)
とりあえず見本として作ってみたもので、二十数項目となっていますね。検討に際して、委員からこの表を記入する際の考え方等について説明願います。落合委員いかがですか。

(落合委員)
ほ乳類については、外来種の種数としては少ないので、結構詳しく記入できたかなと思っています。項目については、生活被害や体重、大きさ等を追加させていただきました。

(委員長)
表の全体の構成を見ますと、まず分類関係、次に生息場所、原産地、千葉県での分布・生息状況、移入経路、千葉県への侵入年代とあり、移入経路等については日本へなのか、千葉県へなのかという問題はありますが…

(事務局)
侵入年代ですが、落合先生は千葉県への侵入年代としてほ乳類を整理していただいたのですが、オカダンゴムシ以降は、千葉県へのではなく日本への侵入年代になります。

(落合委員)
移入経路、侵入年代については、日本へなのか千葉県へなのか、迷いながら書いたので、これから整理は必要と考えています。

(委員長)
この資料を見るときに、侵入年代については、千葉県へと日本へと両方あるということですね。それから、移入経路については、千葉県と日本では違う場合があり得るので、今後どうするかですね。生息環境として、生活場所、それから繁殖場所となっていますけれども、この辺はまとめて整理していく必要があるかもしれませんね。それから食性があって、生活史があって、ここまでが生物としての情報と過去の経緯ですね。ここから後ろが現状として、生態系への影響と人に対する被害、考えられる対策とこのような情報を得た文献、写真・標本、それから備考欄。さらに体重などの特徴。これらは生き物のイメージとして重要なものですが、これについては、動物によって表記法が大きく違ってくると思いますが、この辺をどうするかということも課題ですね。こういう項目を立て、わかる情報を整理していただいたのですが、今後、前回出た外来種のそれぞれについて、こういう形でまとめていただくということについて、意見があれば議論していただきたいと思います。なお、ランク付けについては、次の議題で議論したいと思いますので、外しておいてください。
項目としては、これでよろしいですか。

(黒住委員)
項目としては、これでよいと思います。後は、先ほど問題になっていました移入経路とか千葉県への侵入年代、それから文献のところで、日本と千葉県を分けられるならば書いたほうが便利かなという気がします。

(斎藤委員)
昆虫の方は、項目としてはいいかなと思いますけれども、どうしてもほ乳類のように埋めきれない、情報不足となるものが多くなるかと思います。ただ、問題となる種類について押さえておけば、それで情報としてはいいのかなとも思います。その点御承知おきください。

(委員長)
情報のないものは仕方ありませんが、将来埋めるという期待も込めて、それがわかるようにしておけばいいと思います。それについての表記法は、ここでいいますと不明という形で書いてあるもの、あるいは空欄にしてあるものがありますが、この辺をどうしたらいいかという点も後で決めたいと思います。
ほかにいかがですか。
ちょっと1点だけ気になるのは、繁殖関係あるいは繁殖の仕方についての情報が対策との関係で重要になるのですが、ここでは、繁殖場所と生活史の中に入っています。この辺りをどうするか。生活史の観点から行けば、繁殖から始まって親になっていくのを通して記述することになるでしょうが、そういう点では繁殖に偏った記述になってしまう。その辺りも、書き方とかまとめ方をもう少し考えた方がいいのかなとは思います。
では、その辺の問題も含めて順番に見て問題が出てきたらその都度考えることとして、まず、移入経路、侵入年代、それから文献について、項目を日本と千葉県に分けるかどうか、分けるとすればどう変更するかとういことで、議論していただきたいと思います。その中で、黒住さんから文献について分けるという提案がありましたが、これは文献とするかあるいは聞き取り情報なり専門家の方の直接確認情報なりの扱いをどうするか、そういう表記をここに加えるのか加えないのかという点も加えて議論したいと思います。
移入経路、侵入年代については、わかるかどうかは別にして日本と千葉県を分けるということにしていかがですか。

(黒住委員)
基本的には余り難しく考えない方がいいだろうと思っています。日本に入った時期と千葉に入ってきた時期が違うかどうかが識別されればいいわけですから。

(委員長)
こういう情報というのは、発見されたときとその状況から、どういう経路で入ったか推定をするということで多分大丈夫ですよね。明確に入ったのがわかるのは、何らかの目的があって公的に入れたもの、例えば水産業などですね。それらの日本と千葉県への移入経路、侵入年代についての記載がどの文献あるいは情報に対応しているかがわかる書き方とする必要があるでしょうね。記号を付けるとかして。

(黒住委員)
千葉県については、落合委員の記載のように具体的な細かい個別の文献を入れるとして、日本については、包括的な文献を入れた方がいいでしょうね。千葉県と日本で同じ文献となる場合も多いでしょう。「なし」という表記になっている部分も、作成者の判断で、日本としての包括的な文献を入れておくことや、聞き取りとか目撃などといった表記をすることも考えられます。この表を見た人が、これを基に何かを考えよう、調べようとしたときに、その根拠がわかりやすく整理されていればよいわけですから。

(落合委員)
日本と千葉県の両方を書くこととしていいと思います。

(委員長)
文献の種類には、聞き取りや自らの未報告の調査等もあるでしょうが、いずれにしても情報源を明確にするという意味で、日本と千葉県で分けられるものは分けて記載するということでよろしいでしょうか。

(黒住委員)
これに関連して、この情報は最終的に自然保護課から公表されますよね。こういう場合に、いつも思うのは、私どもがいろいろな文献を上げてきますよね。これらの文献を、一般の方からの問い合わせに際して、「中央博に問い合わせてくれ」ではなく、情報公開をどう捉えるかという問題もありますが、できれば自然保護課で収集保管しておいて、コピーも含めて公開していただくようなことができればいいなと思っています。その収集を私達がやるというところまでいけばいいのかもしれませんが、文献によってはそれは嫌だという方もいるでしょうし。房総鹿の会の文献などは自然保護課にいっているのですか。

(落合委員)
もちろん自然保護課にあります。

(黒住委員)
分厚い文献を全部コピーしろといわれても困りますよね。そういう場合は自然保護課でコピーしてもらえるとか。集めておかれると、後々わかりやすいですし、県民が来られたときも自然保護課としてきちんと情報を出せます。スペースの問題をありますが、いかがでしょう。

(委員長)
これまでどういう状況で何が行われてどんな成果があったのか、きちんと検証しながら進まないといけないわけですね。そういう意味では集めておくのは重要だと思うのですが、現実的には文書館に置くとか、電子化するとか、その方法についてはほかの事業も含めて検討していかなければいけない問題でしょう。検討課題として、この場では自然保護課に投げかけることとします。いずれにしてもそういった情報の基になった資料を押さえていくことが重要なので、まず手持ちの文献については整理しておくとして、今回記載をお願いする機会に、基となった資料をコピーでも電子化したものでも併せてお願いして集めたらどうでしょう。資料が集まればそれを見て取扱いを検討することとして。いかがですか。

(事務局)
とりあえず、自然保護課で文献の所在について整理をしたうえで、どのような対応ができるのかを検討したいと思います。あまり大きな文献や長いもの、高価なものは集めるのが難しいと思いますので。所在を確認して全体像を押さえたうえで相談させていただきたいと思います。

(委員長)
いっぺんに集めるのは無理ですから、とりあえずあるものだけ集めて、ほかの資料は可能な限り集めるとして進めたいと思います。
今までの、日本と千葉の分けての侵入年代、経路、その基になった情報の取扱い、さらに情報源の収集に関する内容について、以上でよろしいですか。(異議なし)
では、それらについては進めるということにしたいと思います。
次に、繁殖の部分についての議論をしたいと思うのですが、ある生き物を駆除まで含めて考えようとするときには、どこで繁殖をし、その子供の数がどの位で、どういう形で分散していくのかというようなことを見ていかないと、なかなかうまくいかないと思います。ですから、少し力を入れてまとめてもいい部分かなという気もするのですが、そういう意味では、生息環境の「繁殖場所」の欄で大まかな場所を記入し、「生活史」の欄で、子供がどの位生まれてどうなっていくのかというようなことを記入することでいいのか、皆さんの意見等を出していただきたい。

(落合委員)
ほ乳類について具体的に埋めていったときに感じたことを話しますと、項目の4つ目に生息場所、資料1の右側に生息環境として生活場所と繁殖場所があり、かなり似たようなことを記入しました。アライグマのように生活場所と繁殖場所を別に書けるものもありますので、生息環境については生息場所の情報として、繁殖については、場所も含めて別項目としてもいいのかなと思います。

(黒住委員)
生活場所と繁殖/生活史としたらいかがですか。書き込めない人は空欄にしておけばいいし、駆除・防除対策にもこの方が役立つのではないですか。

(委員長)
全体をイメージしたときに気になるのは、例えば、生まれた子供がパッと散る場合と、巣をつくる場合では駆除の対策も当然違うでしょうし、その数の問題も踏まえる必要があるでしょう。その辺りを書いておかないと、今後、問題が起きて対策を考えようとしたときに、あまり役に立たないということになりかねない。ですから、一般的な生活環境は残しておいて、繁殖に関するものを別項とし、生活史には繁殖・食性以外のものを記入する。今後の対策のことを考えると、そういうように繁殖に重点を置いてもっと明確にした方がよいと考えているのですが、いかがでしょう。

(落合委員)
そうした方がいいと思います。異議ありません。

(黒住委員)
わかる範囲で書けばいいということであれば、そうでいいと思います。

(委員長)
では、そうすることで整理したいと思います。

(事務局)
繁殖についてですが、例えば項目を、場所、時期、子数、形態等と別立てにするということでしょうか。

(委員長)
そこまで分けるとうるさくなるから、場所と時期と繁殖形態程度に分けるということです。
次に、影響の部分、生態系から生命身体への被害までの4項目について、いかがですか。

(黒住委員)
種類によって重点は違ってきますが、基本的にはこれでよいと思います。

(落合委員)
希望をいわせてもらいますと、農林水産業、生活、生命身体への被害はいずれも人への影響ですので、一般の人にわかりやすいように、大きな項目として生態系への影響と人への影響というくくりを入れてほしいと思います。

(委員長)
皆さんよろしければそうしたいと思います。
それから、最後の体重、頭胴長、尾長については、種によって状況が違うと思いますので、表現がこれでいいか検討する必要があると思います。またこれが最後でいいかという問題もあります。生き物の情報としてはもっと前でもいいでしょうし。

(長谷川委員)
形式のことなのですが、これは表形式になっていますが、確かに一覧表は必要ですが、項目が多くなってくるとシート形式も考慮して、そのフォーマットも検討した方がいいと思います。

(委員長)
重要な提案ですが、それはこの後に議論したいと思います。
では、体重等については種類によって書き方が違うと思いますが、必要な項目でして、基本的には大きさと重さ、これは親の平均的な値となりますよね。ここで一番困るのが、いろいろな表記があることです。人によって主観的なものになりがちだと思います。最大体重などという書き方もあるでしょうし、幅を持った書き方もある。親の平均的な数値で、雌雄の違いがあれば、幅で示すか分けるか。

(黒住委員)
まとめるときに、最初にその動物の写真と特徴の記述が求められると思います。その時に、色とか大きさの入れ方の議論になると思いますので、とりあえず大きさについての情報をさっと書いておけばいいと思います。

(委員長)
では、一応数字としては、重さと大きさに関して、親の平均的な数値を基準に動物の種類に応じて記載するということにしたいと思います。それをどう扱うかは、報告書のまとめ方の段階で改めて議論したいと思います。
後は、「考えられる対策」欄はこれでよろしいですね。

(黒住委員)
これはかなり大きな問題だと思います。この欄にかかれている内容は記入者によってかなり違いますよね。また、入ってきてしまった動物に関して「バラスト水の殺菌」などというのは論理的ではないですよね。これは、ランクを付けたものに対してどうするかという問題も絡んでくると思いますので、後で議論した方がいいかなと思います。

(委員長)
そういう意味では、これは既に日本あるいは千葉県に入ってしまっているものをどうするかということですよね。ただ、現状からいえば、いろいろな形で入ってきていますから、その増加を止めておかないと、こういう個々の対策を打つ余地もなくなってしまう状況も考えられます。今後増えるかもしれない種類に対する対策は、一般的には別の問題でもあり、別にまとめる必要があります。この問題はこの辺にして、最後の報告書の中で考えましょう。
では、表形式のシート形式のまとめについてですが、それぞれ一長一短があると思いますが、現在の資料は例として作ってもらったのですが。

(事務局)
いったん表形式でまとめさせていただきましたが、これをシート形式にするのはできるとは思います。

(委員長)
最後の公式な報告書としては、こういう表の形で出てくるのですか。

(事務局)
県民への提供ということを考えると、最終的には表形式ではなく、シートのような形で表すことになると思います。現在の表形式は、先生方に記入していただく形で、しかもこのまま印刷することを前提にしてはいないので、表に入る項目数の制限はかけずにお願いしております。これをシートにするのは、手間は別にしてできると思います。

(委員長)
シートだと、あまり項目数が多いと見にくいですよね。本当は、基になるシートがあって、そのシートを基にした表があると見やすいですよね。報告書そのものは、両方は難しいということであれば、表にして、参考にシートを付けるようなことも考えられます。これはエクセルの表で作成して記入をお願いしているのですね。

(事務局)
そうです。
表にしたので、いろいろな項目をいれられたのですが、シートにする段階で、例えば被害という大項目にまとめるような加工をするかどうかも課題です。

(委員長)
では、この問題はそういう課題があるという認識をしたうえで先に進め、後で議論することとしましょう。
言い忘れていましたが、表に個人名が掲載されていますね。個人名を公表できるか否か。写真を載せるときには本人の了解が必要ですが、個人名についても本人の了解が取れていればいいのですが、その辺の問題があることを指摘しておきますので、事務局の方で御検討ください。
では、次は外来種のランク付けについて(資料2)に基づく議論をしたいと思います。これは資料1の「考えられる対策」にも関連します。資料2について、事務局から説明してください。

(事務局)
第1回会議の時に、ランク付けについては、「影響度」、「駆除の緊急度・可能性」程度にすべきとの意見が出されております。そこで、各先生方に、各ランクは3段階程度とし、これに情報不足を加えて具体的な種についての作成をお願いし、取りまとめたものが資料2です。
この資料の中で、ランク付けの根拠を書かれていないものもありますので、その点については、各先生方に説明をお願いしたいと思います。

(委員長)
では、資料の順番で落合委員から説明をお願いします。

(落合委員)
今までの話として、「影響度」、「駆除の緊急度・可能性」の2つに分けるとされていましたので、このとおり作成してみました。ランクを何段階にするか、その基準をどうするかは難しい問題でして、レッドリストと同じように量的に評価することができませんので、質的というかかなり主観的な区分、そうはいっても文書表現上は質的な評価、イメージで作成してみました。影響度については、人間に対してと生態系に対しての区別はしていませんが、斎藤さんは分けて書いてありますし、その辺は議論して決めたいと思います。後、考えたときに悩んだのは、既に影響が認められているものについてはデータがあってランクが付けられるのですが、影響がわからない場合が多いのです。認められる場合と予測される場合の取扱いですが、予測される場合にランクを下げるというのは、外から指摘された場合に説明しやすいのですが、データがないので対応が遅れるというのを避けるために、区別しませんでした。ほ乳類は、そこにいれば何らかの形で影響がおおきいですから、昆虫などよりはランク付けは可能です。駆除のランク付けについては、あくまで緊急度ということで、完全排除は想定していません。完全に排除できなくても、部分的に駆除を進める必要がある場合もありますので、この辺の共通理解を図る必要があるかもしれません。

(委員長)
駆除の考え方は整理が必要ですね。駆除のランクは、完全に排除するのか、影響を低減させるのかによって変わってくることも考えられますね。これは議論して整理する必要があると思いますが、落合委員としては、完全排除は考えないということですか。

(落合委員)
考えないということではなくて、原則完全排除ですが、現実的に完全排除できない場合が多いわけです。その場合、ランク付けとしては完全排除の可能性はないということになりかねないので、そうではなくて、完全排除ができなくても個体群の抑制をすることが緊急に必要ですということをランク付けでも表現したいということです。

(委員長)
そうすると、緊急度と可能性というのを分けないといけませんね。現実的には当面低減させ、完全駆除は先のことになるとか内容がわかるようにしなければいけないことになりますね。

(落合委員)
その論理はあると思います。緊急度と可能性は別だともいえます。ただ、その辺の区分を細かくしていくと、資料がわかりにくくなるなど全体のバランスも考える必要があると思います。

(委員長)
では、一通り説明を受けてから議論しましょう。斎藤委員、説明してください。

(斎藤委員)
影響を生態系へのものと人間へのものを別にしました。それぞれ3段階には区分はしましたが、その基準については記載してありません。どうしても主観的なものになってしますのですが、文字にするとすれば、落合委員と同じような基準で書けなくはないと思います。あまり明確なものはありません。駆除については、可能性という意味で実現性という表記にしました。緊急度の高低は影響度の高低と連動して決まってくると思ったので、あえて緊急度という言葉は使いませんでした。可能性を3段階にして、実際にできるか否かを明確にしようと考えました。ただ、昆虫の場合は、一度定着してしまったものを完全に駆除することはほとんど不可能だと思いますので、被害があったときの防除、被害の予防、新たな侵入の防止が中心になると思います。駆除対策は難しいです。

(落合委員)
今の駆除というのは、完全排除という意味で使っているのですね。

(斎藤委員)
そうです。

(落合委員)
用語のすりあわせが必要ですね。ほ乳類の場合は、1頭でも被害を与えているものを獲る場合は駆除になります。獲り尽くす場合は、完全排除という言葉を使っています。

(斎藤委員)
昆虫の場合は、あまり駆除という言葉は使いません。被害があった場合に、その部分についての防除といった考え方です。駆除といった言葉はなじまないですね。

(委員長)
言葉の使い方、違う言葉を使うというのは、現実にどういう結果を目指せるか、生き物との関係で現実的な選択が違ってくるという問題だと思います。小さな生き物の場合は、ほ乳類でいう完全駆除の可能性は極めて小さいということですね。そういうことを含めて、外来生物とどう付き合うか、対応するかは生き物の特性を考えながら全体としてまとめ上げないとむずかしいということですね。

(斎藤委員)
付け加えますと、生態系への影響と人間への影響を分けた理由ですが、昆虫の場合、大きさが小さいし、そこにいてもあまり気にされないということが多いと思うので、いることによって人への影響が小さくても生態系への影響は大きい場合があるということを強調したかったということです。

(委員長)
では、黒住さんから説明願います。

(黒住委員)
あまり考えずに、影響度のランクは、大中小としました。落合委員の区分でいうと、AとBを足したものが大です。駆除の緊急度・可能性ランクも同様です。総合というランクを設けましたが、影響度が大きくても駆除の可能性が小さい場合は、総合は小となります。逆に、イスパニアマイマイのように、影響度が小さくても駆除の可能性が大きい場合は、総合的には大となる。やるかやらないかということを明示しようとしたわけです。やるというもののなかから、今年の対策としてどれを選ぶかというように使える資料とすることが念頭にあったので、総合という基準を作ったわけです。
生態系への影響と人間への影響は分けていいとし、主観でどんどんやっていけばいいと思います。文献がないから議論できないということではなく、ここにいる委員の責任で決めていけばいいと思います。駆除についても防除だとか完全駆除だとか概念が違うこともわかりますが、とにかくやるかやらないかという結論を考えた場合には、欄を作っていろいろ記入して最後の総合のところにそれらと違うことを記入するとほかから指摘されるということもあります。そんなことを避けるためにも、影響度や駆除の概念が違っていてもどれかに決めて整理し、具体的にスタートするとした方がいいのではないかと思います。

(委員長)
いずれにしても、そういう形を最後に検討しなければいけないので、今の3つの提案と議論を踏まえて、どうしましょうか。

(長谷川委員)
(追加資料)がありますので説明します。お配りした資料は、形式をそろえていないのですが、左側のリストについて説明します。ここに上げた7種類は、何らかの形で定着が確認されている両生類・は虫類です。生態系への影響と対策の容易さ、つまり可能性について、二重丸がAで丸がB、三角は情報不足、×がCです。真ん中の定着度合いについては、既に全県に広く定着しているものを◎、いるけれどもそれほどでもないものを○、記録だけあるものを△としてあります。この中で、ウシガエル、アフリカツメガエル、ミシシッピアカミミガメ、カミツキガメは国の特定外来種、要注意外来種として生態系への影響度が認定されておりまして、千葉県での影響度が高いと思われます。どういう影響かといいますと、ウシガエル、ツメガエルについては、在来の昆虫類、魚類等に対する捕食、アカミミガメ、カミツキガメについては、在来の無脊椎動物に対する捕食の影響ですね。定着度合いでは、ウシガエル、アカミミガメが既に全県に、カミツキガメが印旛沼水系に侵入し定着しています。ヌマガエルは以前は鋸南町だけだったのですが、印旛沼水系に侵入し既に広く定着しています。対策の可能性としては、ウシガエル、ヌマガエルについては非常に難しいと考えられます。トノサマガエルは、谷津1箇所だけですので容易だと思われます。カメについては、わなが効果的ですので、面積が広くても労力をかければ可能ということで○にしております。この場合の駆除は完全駆除を意味しています。完全駆除が実際に可能かどうかは判断がつきませんが、カミツキガメについては、今年、試験的に水系の一部での完全駆除を目指して環境省の事業も行われますので、その結果を見て他の対策もどの程度すべきかという見積も出していけるのではないかと考えています。

(委員長)
長谷川委員の資料では、人への影響が入っていない。新たな提案としては、定着度合いから考えようという点。対策の容易さについては、可能性と緊急度を合わせたものということですが、この辺を含めて、全体としてどうしたらよいかという議論をしたいと思います。

(黒住委員)
前提ということで、ランクを付けるのはいいのですが、付けた後どうするのかという点については何らかの答えが出てくることを期待したい。ランクを付けて終わりというのは避けたいと思います。それから、外来種が千葉県からいなくなるというようなゴールを目指すことを考えた場合は、ランクは3区分程度とし、影響度や緊急度・可能性をさらに分けて複雑にするのではなく、人間や生態系への影響なども大くくりの資料としてわかりやすくした方がいいと思います。複雑にすると、かえって疑問が生じやすかったり、クレームが付きやすくなるので単純な方がいいでしょう。

(長谷川委員)
定着度合いという基準を設けましたが、資料1の被害の状況と資料2の2項目を踏まえて駆除の方向を決定するようにした方がいいと思います。

(委員長)
定着度合い自体は、駆除の可能性との関連が強いですよね。ですから、総合的な考慮の中に入れて、特に単独で表示しなくてもいいような気もします。
一般的には、駆除というと完全駆除、根絶をイメージすると思いますが、それができる可能性があるのは少数になると思いますし、現実には影響を軽減する、あるレベル以下に下げる、そういう意味では、昆虫や農業被害の対策で使っている防除という考え方のように、根絶はできない場合も多いわけです。その辺りの表現をどうまとめるかという課題は残っていますが、黒住委員が言ったようにある程度まとめて表現する方がこういう資料の中では現実的かもしれません。いかがでしょう。

(長谷川委員)
駆除の対策のところで、影響がない程度に低下させる、防除する、それから影響があったところでピンポイントで駆除するといったような項目を設定できれば、そのどれに相当するかを整理できると思うのですが。

(委員長)
それはランクをそうするということですか。

(長谷川委員)
ランクの後です。

(委員長)
ランクの後に内容を選択するということですか。

(長谷川委員)
例えば、トノサマガエルやイスパニアマイマイは、まだ広がっていませんから完全駆除できます。ウシガエルのようなものは、現実には完全駆除はできない、あるいはこれは全国委員会で議論があったのですが、WISE USEとの関係ですけれども、ウシガエルは実験動物として使われていて、積極的に実験動物として使うことである程度低減を図れるといったことも考えられます。完璧にこれを駆除してしまうと、在来種を実験動物に使うといった問題が発生することも考えられます。当面完全駆除を考えない方がいい外来種もいるということです。

(委員長)
利用の問題も踏まえると、なかなか難しいですが、多分、外来種が増えた一番大きな理由は、農林水産業上の目的がある場合とペットですね。後は、先ほどのバラスト水の問題など、人と物の移動に伴うもの、その3つのルートですね。逆に言えば、そのそれぞれについて対策を立てないと今後外来種の数は増えることは避けられないわけですが、同時に、利用によって人や生態系への影響を低減するといったような状況対応も考えられるわけです。こういった議論もする余地はありますが、この点はとりあえず今は置いておきます。
今の段階でのまとめとしては、落合委員の案をベースとしてある程度まとめて表記するということと、駆除の内容を記載あるいは付記するということになると思います。別の提案でもいいですが、含めていかがでしょうか。

(長谷川委員)
資料1の考えられる対策というものを整理した形で付けるということですか。

(委員長)
「生命身体への被害」と「考えられる対策」の間に、影響度と駆除の緊急度・可能性に対応する項目を入れ、さらに考えられる対策にその中身を整理して記載するということですね。わからないという表記になるものがあっても仕方がないでしょう。

(黒住委員)
どこかに緊急度・可能性を含めてランクを付けたということをどこかに付記しておかないと、クレームが出たときに逃げ道がなくなることがように思いますが。

(委員長)
これは提案なのですが、影響度や駆除の緊急度等の欄で細かく書くのはなかなか難しいので、考えられる対策欄で、具体的な対策と併せて、何をどこまで考えるかがわかるように書くということでいかがでしょうか。

(落合委員)
次への対応につながるものとしてランク付けを作成し、その基礎資料としてリストを作ったわけです。リストの中にランクを入れることに反対はしませんが、表に出すときには、影響度、緊急度からのランクの資料をわかりやすい形で公表することを前提として、今回リストに入れることとしていただきたい。

(黒住委員)
資料2の情報欄をインパクトがある形でまとめるということですよね。現時点ではよろしいのではないですか。

(委員長)
そうすると、資料2の「情報」欄に相当する項目がリストに入ってこなければいけないことになりますね。

(黒住委員)
それは、いろいろな形で資料1のリストに入ってます。

(委員長)
表は網羅的に書かれていますから、それを抜き出して整理し、影響度、緊急度、これまでの対策を踏まえて書かなければ、落合委員の提案は完結しないのではありませんか。新たに作成するとしてよろしいでしょうか。

(黒住委員)
まとめなくとも入っていると解釈できませんかね。

(委員長)
事務局がまとめるのか、あるいは情報を出していただく方にまとめまで出していただくのかということになると思います。

(落合委員)
最初に最低限出すのは、この部分(影響度、駆除の緊急度)ですよね。そのバック資料として一覧表がある。でも、一覧表をていねいに作ってあるからこれ見ろといっても、複雑でわかりづらい。ですから、そのエッセンスをまとめた資料はあった方がいいと思うのです。

(委員長)
今までは、この「情報」に相当する資料をまとめて出そうという方向に進んできていない、お願いしていないので、このまとめをするとしたら、やはりここの情報を提出した方に別途作っていただく必要がある、もう1回お願いしなければならないということです。

(黒住委員)
資料1の情報を作成した方に、資料2の情報も、150字程度を上限ですかね、作成していただくということになると思います。

(事務局)
委員の方には、ランク付けや情報等の資料2の内容でお願いしてありますが、それ以外の方には資料2の内容はお願いしておりません。ですので、ランク付け等どこまでお願いすればいいか。

(黒住委員)
委員以外の方には、ランク付けについて内容を決めたうえで、「委員会でこう決まったので、すみませんがABCのランク付けをしていただけませんか。」というような形でお願いすれば比較的混乱もなくやっていただけるのではないかと思います。

(委員長)
公表の内容がこう決まったので、提供していただいた情報をもう一度見直し願いたいという趣旨でお願いすればよいのではありませんか。
では、資料2の情報も併せて提出していただくということにしたいと思います。
事務局から、これまでのところで何かありますか。

(事務局)
ランク付けまでお願いするということになると、例えば影響度のランクなどは比較的読みやすいのですが、実際に基準をどの程度で考えてくださいというのは、裁量に任してよろしいのかどうか。

(黒住委員)
裁量に任すしかないでしょう。小難しい定量とか文献とか提出してください等というのは、やめられた方がよいですね。単純にABCでお願いしますとすべきです。

(委員長)
種によって難しさが違いますね。ほ乳類は、比較的影響を受けやすいし、対策も立てやすく、経験もある、ある意味でかなり高いレベルといえますが、昆虫や水生生物などは何もわかっていない、影響度といっても何を考えていいかわからない、考えるための素材がないので決めかねる、むしろ、そういう事情を書いてしまった方がいいのではありませんか。こういう事情なので、ランク付けも目安としてみてくださいと書くということです。資料作成を工夫していろいろ書けるようになってくれば、また見直しが必要になるでしょうから、その時に書き直してもいいでしょう。今後の対策を考えると、あまりゴチャゴチャするより、まず作ってしまう方がいいでしょう。いかがですか。
以上の点を踏まえて、全体の構成も含めて、最終的な報告書の構成案を事務局から提示していただくということでいいですか。

(事務局)
今日の会議の結果についての報告書ももちろん作りますけれども、結果をまとめてこちらで案(不明な点に対する提案及び報告書の最終構成案を含む)を作り委員にお送りするということでよろしいでしょうか。

(委員長)
それと、資料の最終的なシートを送って埋めていただくことですね。

(事務局)
はい、わかりました。

(黒住委員)
次回以降の会議では、Aとされたものの今年度の実際の対策をどうするかということと新しく入ってくる外来種への対策を今年度どうするかということも議論すべきと思いますが。会議をやって報告書を作るだけではなく、何かをやる、やったということを発信する必要があると思うのです。

(落合委員)
第1回の会議で、リスト作りと平行して防除についての検討も2本立てで進行させるということで、かなり論議があって合意され、前回の会議では、各委員にランク付けの考え方と同時に防除に関してどういうことを議題として考えるかという提起がありまとまったわけです。今回の会議では、ランク付け、リスト作りは当然として、前回各委員がだした防除についての話が少しでもあるのかなと思っていたのですが、ありませんでした。今回はもう時間がないということなので、次回以降の会議では、リスト、ランク付け以外に何をこの委員会で議論するのかということをもう一度確認して進めていただきたいと思います。

(委員長)
いろいろな意見が出ていたと思いますが、この資料作りがある程度まとまらないと、関係者との調整や予算執行も含めて次のステップに行けない、この委員会自体には、具体的な行動までは設定されていない、提言まではもちろんできますが、具体策をとろうというところまではちょっと難しいと思います。
今日は時間がありませんが、いろいろな問題が出てきましたので、この件も含め、整理して、次回以降話し合いたいと思います。


なお、資料等はダウンロードすることができます。
 資料−1  エクセルファイル 70KB   PDFファイル 139KB 
 資料−2   ワードファイル 54KB   PDFファイル  16KB
 資料−3  PDFファイル 8KB
 追加資料    PDFファイル 12KB

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