生命のにぎわい調査団では、調査対象種の1つとして特定外来生物に指定されているオオキンケイギクの生育に関する情報を収集してきました。今回、これまでに得られた情報(2008年から2021年までのデータ)から分かってきたことについて紹介します。なお、関連する内容として、生命のにぎわい通信の第62号にて紹介しています。
オオキンケイギクは北アメリカ原産の多年草で、30-70cmほどの高さに、直径5-7cmほどの綺麗な黄色い花を咲かせます。5-7月頃に、道端等の身近な環境で開花が見られるようになります。
2008年から2021年にかけて、生き物報告に投稿されたオオキンケイギクのデータを整理し、県内における分布状況を地図化してみました。
国土交通省の国土数値情報ダウンロードサービスに公開されている標高の地図に、生き物報告により得られた分布図を重ねました。その結果、オオキンケイギクは標高の低い県北西部を中心に、野田市、銚子市、館山市にかけた千葉県広域に分布が広がっていることがわかりました。
次に、国土交通省の国土数値情報ダウンロードサービスにて公開されている建物用地面積(単位は㎡)のデータをもとに作成した地図に、オオキンケイギクの分布を重ねたところ、建物用地面積の広い市街地を中心に分布を拡大していることが分かってきました。
その一方で、県北東部や房総丘陵の広範囲からはほとんど分布が確認されていません。これらの地域はオオキンケイギクの分布には不適なのでしょうか(そもそも定着できない)、実際には生息しているけれど調査が行われていないだけなのでしょうか、まだ定着していないだけなのでしょうか。
この問いに答えるためには、分布が確認されていない空白地域においても調査を行う必要があります。そこで、地図にあるようにオオキンケイギクの分布が確認されていない地域において生育を確認した際は、是非とも生き物報告へとご投稿いただけますと幸いです。
今回紹介したように、生き物報告により得られた膨大なデータを整理して地図上で示すことにより、千葉県におけるオオキンケイギクの生息状況の全体像や分布に影響していると思われる要因を把握することができるようになりました。今後も、生き物報告により得られたをデータを整理・分析し、生息状況を把握できるよう努めてまいります。
調査団員の皆様へ
住所・電話番号・メールアドレスの変更があった場合は、調査団事務局のメールアドレスへご連絡ください。(団員番号と氏名をお忘れなく)
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生き物を発見された際はまず、その生き物の写真を撮り、お手持ちの図鑑で調べてみてください。そして、「○○○」だと思うが特徴が少し違う、といったところまで調べていただけると助かります。
報告で種名が不明になっていた場合や、報告写真から判定して種名を変更した場合は、各月の報告一覧には、事務局で判定した種名を記入しています。
皆さんからいただく報告の中には、希少な生物の発見、生息状況の新たな発見、活き活きとした生きものの営み等の写真が多くあり、事務局としても大変楽しませていただいています。
環境省「 環境省HPー外来生物法のウェッブページ 」をご覧ください。