会場:千葉県立中央博物館 講堂
日時:令和5年2月21日(火)13時30分~16時
主催:千葉県自然保護課・一般社団法人千葉県経済協議会・一般社団法人千葉県環境保全協議会
公益財団法人 日本自然保護協会 OECMタスクフォース 室長 高川 晋一氏
企業活動を含む私たち人間の社会生活は、生物多様性から生み出される様々な恵みに強く依存している。しかし近年生物多様性は劣化の一途をたどっており、特に日本では身近な生き物でさえ急速に姿を消している。2030年までの「ネイチャーポジティブ」は、今やカーボンニュートラルと並ぶ重要な国際目標となっている。2022年12月に開かれた生物多様性条約COP15では、この新たな目標と共に、企業の生物多様性影響の情報開示に関する目標が決議された。背景には、生物多様性危機が経済界全体として無視できない重大なリスクであるという認識の浸透や、生物多様性への影響に関する情報開示の国際的枠組みが急速に整備されていることがある。
ネイチャーポジティブの実現は、地球全体のCO2総量が影響を左右する気候変動とは大きく異なり、地域地域での多様で異質な生物多様性を保全回復する取り組みの積み上げとして達成していくべきことであり、「土地」の利用の在り方に強く関係している。
本講演では、企業活動がどのようなパターンで土地や地域のネイチャーポジティブに直接・間接的に影響するかや、それにより操業のリスク・チャンスをどう左右するかを参加者と共に考えたい。その上で、COP15で決議された保護地域の面積目標「30by30」や新たな保全地域制度として注目される「OECM」について企業がどのように関われるか、またそれぞれの自治体のネイチャーポジティブに企業が貢献していくことの重要性と意義について議論を深めたい。
○講演:水辺再生事業における遺伝的多様性への配慮
千葉県立中央博物館 環境教育研究科長 林 紀男氏
○企業の事例紹介
公益財団法人 日本生態系協会 参事 佐山 義則氏
『森の墓苑の自然再生 ~その経緯と企業/個人との関わり~』
株式会社エコロジーパス 北澤 哲弥氏
『ネイチャーポジティブ工場に向けた生物多様性評価』
○千葉県からの報告
千葉県生物多様性センター 大島 健夫
『生物多様性ちば企業ネットワークによる里山モニタリング調査』
※本ページの記載内容は、セミナー開催当時のものです。