第16回企業と生物多様性セミナー 国際的な生物多様性保全の動き |
– セミナー報告 –
会場:千葉県立中央博物館 講堂
日時:平成28年2月9日(火)13時30分~16時30分
主催:千葉県自然保護課・千葉県経済協議会・千葉県環境保全協議会
参考:申込書兼チラシ(pdfファイル:505KB)
●講演 : 企業と生物多様性を巡る世界の最新動向
(公財)日本自然保護協会自然保護部 エコシステムマネジメント室国際担当
国際自然保護連合(IUCN)日本委員会事務局長
道家 哲平 氏
- 講演内容 –企業活動は大規模であり、自然資源に依存しているため、このままの自然資源利用が続けば地球は崩壊する。生物多様性に関する国際的メッセージは多数存在するが、2015年の国連総会で「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、世界の認識が変わったと言える。生物多様性に取組むことは、激動する世界経済情勢の中で、他社よりも「持続可能性の高い企業」であることを社会に示すことにつながる。
●千葉県からの報告 : 「外来種被害の防止に向けた行動指針」について
千葉県生物多様性センター 主事 栗田 隆気
2015年に環境省が公表した生態系被害防止外来種リストと外来種被害防止行動計画について紹介を行いました。
●企業の事例紹介
「生物多様性ちば企業ネットワーク」参加企業から事例を紹介していただきました。
○ 株式会社安藤・間
技術本部 先端・環境研究部 主任研究員 池田 穣 氏
技術本部 先端・環境研究部 主任 青木 貴均 氏
(株)安藤・間を含めた建設8社で開発した、CASBEE対応型生物多様性簡易評価ツール「いきものプラス 」は、設計者が簡単な内容を入力することにより、設計案における生物多様性の取組みを定量的に評価するシステムである。本ツールの活用により、不動産の付加価値を向上させた「「環境不動産」が形成される。「環境不動産」の客観的評価基準の1つとして「CASBEEランク」の果たす役割は大きいと言える。○ 日本電気株式会社
品質推進本部 環境推進部 エキスパート 稲垣 孝一 氏
IT,NWを活用したソリューションを提供することにより、生物多様性保全に貢献することを基本方針としている。我孫子事業場では、希少な生き物であるオオモノサシトンボの保全活動を行い、社員等に対する意識啓発イベントを展開している。○ セイコーインスツル株式会社
環境経営推進部 部長 富田 道夫 氏
社として生物多様性を重要な環境問題と認識していることに加え、ビジネスを通じてサプライヤーに生物多様性の保全を要求されることも多い。主な取組みとしては、社員ボランティアによる植樹の実施、生物多様性の観点からの土地利用評価等を実施している。また、サプライヤーへはグリーン購入基準等を示すことで対応している。※本ページは、セミナーの報告のため、記載内容はセミナー開催当時のものです。