千葉県環境生活部自然保護課Chiba Biodiversity Center生物多様性センター

第18回企業と生物多様性セミナー 企業が生物多様性に取り組む意義とは

第18回企業と生物多様性セミナー
企業が生物多様性に取り組む意義とは

– セミナー報告 –
会場:千葉県立中央博物館 講堂

日時:平成29年3月15日(水)13時30分~16時20分

主催:千葉県自然保護課・千葉県経済協議会・千葉県環境保全協議会

参考:チラシ兼申込書(pdfファイル:595KB)

セミナーの様子


講演 : 企業は生物多様性にどのように取り組めばよいか


    (株式会社レスポンスアビリティ コンサルタント
    武末 克久氏
   
   - 講演内容 –    
 生物多様性に関する国際動向や、企業による取り組み事例を紹介しながら、企業が生物多様性に取り組む意義を再確認し、どのような取り組みが求められているのか、生物多様性に取り組むことでのメリット等について講演を行った。
 昨年11月にパリ協定が発効した。このパリ協定の採択・発効を受けて脱炭素社会へのシフトが大きく進みだし、気候変動に対する企業の取り組みが加速している。また、非財務情報の開示が強く求められるようになるなど、環境の分野では、企業を取り巻く状況が大きく変化している。
 このような動きは、企業による生物多様性の取り組みにも影響を与えており、自然資本会計、持続可能な原材料調達、認証制度、森林破壊ゼロへのコミットメント、グリーンインフラなどのキーワードで表現されるような取り組みを推進する企業が増えている。
 また、昨年12月にメキシコで開催された生物多様性条約第13回締約国会議(COP13)では、生物多様性の主流化が主要テーマとして議論されたが、ここでも企業の役割が強調された。企業に対する期待や要請はますます高まっている
 企業はなぜ生物多様性に取り組むのか?生物多様性が失われている今日、国だけではなく企業も一緒に保全することが事業継続のために必要である(①原料を調達するため、②ブランド維持・向上のため(消費者・顧客・投資家・地域住民へ貢献をアピールできるために必要))。この際、自社だけでなくバリューチェーン全体で考えなければならない。マイナスを減らし、プラスの影響をどう与えられるのかを考える必要がある(エコロジカルネットワークなど)。

企業の事例紹介


「生物多様性ちば企業ネットワーク」参加企業から事例を紹介していただきました。

○ 株式会社安藤・間
  技術本部 先端・環境研究部 主任研究員 池田 穣 氏
   『生物多様性保全と持続可能な開発に向けた取組み~ミャンマーでのマングローブ植林工事について』

(会社の取り組みとして、生物多様性ガイドラインの策定、社内データベース「いきものインフォ」を紹介。「いきものインフォ」を2015年4月から運用開始し、取組事例、生物多様性に配慮した施工マニュアル、生物多様性に関するリンク集、三大都市圏における潜在自然植生MAPを紹介している。さらにミャンマーで取り組んでいるマングローブ植林工事について紹介し、現地採用の職員の養成の重要性を訴えた。
参考:配布資料(pdfファイル:1.3MB)

○ 清水建設株式会社
  設計本部 設計技術部 生態系担当 小田 信治氏
   『アニマルパスウェイの実績と近況について』

第12回セミナーでアニマルパスウェイを紹介し、その後の成果について報告した。全国や千葉県内での設置状況や、センサーカメラを用いた動物の利用状況について動画で紹介した。

○ 市川市
  環境部 自然環境課 主任 浮貝 昌彦氏
   『いちかわの生物多様性~生物多様性いちかわ戦略とモニタリング調査』

   「生物多様性いちかわ戦略」策定の流れ、取組状況を紹介し、平成27年から開始したモニタリング調査の結果を報告した。
参考:配布資料(pdfファイル:0.2MB)

※本ページは、セミナーの報告のため、記載内容はセミナー開催当時のものです。

千葉県からの報告 : 「生命のにぎわい調査団・グループ団員」募集について


   千葉県生物多様性センター 副主幹 御巫由紀

 当センターが実施している生命のにぎわい調査団の概要を説明し、これから実施する企業や学校など定点で継続的に行う生き物調査「生命のにぎわい調査団・グループ団員」の概要を説明し、募集を行った。
参考:資料(pdfファイル:79KB)申込書(pdfファイル:77KB)