会場:千葉県教育会館604会議室
日時:令和3年3月3日(水)14時~16時30分
主催:千葉県自然保護課・一般社団法人千葉県経済協議会・一般社団法人千葉県環境保全協議会
講演内容
1992年地球サミットで「持続可能な開発(Sustainable Development)」(以下、SDと称する)」の実現に向けて「アジェンダ21」が採択され、それが今日のSDGs(SD実現のための目標)に繋がっている。今回はSD実現のための根本的なエンジンになりうる生物多様性オフセット、生物多様性バンキング、その根拠である環境アセスメント制度、ノーネットロス政策などSD実現のための具体策について国内外の最新動向を紹介する。生物多様性オフセットとは、開発による自然の損失を同様な自然を同地域に確保することで、地域全体として当該自然の現状維持を図る(これをノーネットロス政策と呼ぶ)ものである。日本ではまだ法制化されていないものの、最近、国内の開発事業に伴い生物多様性オフセットが提案される事例が散見されるようになった。さらに海外では複数のオフセットをより広いエリアでまとめて行うものをバンクと呼び、経済と生態保全を両立する新しい試みとして注目されている。
また当方が提案している日本版生物多様性バンク、「里山バンク」として日本初となる千葉県内での取り組みをはじめ、当研究室の取組を紹介する。里山バンクとは、あらかじめ地域の里山生態系を連続性を持った塊として保全活動を行い、生物多様性オフセットや里山保全を行う事業者にその効果を提供する仕組みである。また里山バンクは、地域連携によってこれまで時間的にも空間的にもバラバラに行われてきた補助金施策、企業や学校やNPOなどによる里山保全活動などを集結し、自然保全を目的とする新しい産業の分化と深化による地域経済の活性化を期待するものである。
○企業の事例紹介
株式会社エコロジーパス 北澤 哲也氏
『なぜ自社が生物多様性に取り組むのか?~社会貢献からサステナビリティへ~』
鴨川シーワールド 開発展示課 森 一行氏
『鴨川シーワールドにおける絶滅危惧種の保全活動』
○千葉県からの報告
千葉県生物多様性センター 大島 健夫
『生物多様性ちば企業ネットワークによる里山モニタリング調査』
※本ページの記載内容は、セミナー開催を予定していた当時のものです。